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お待ちかねの「たら本」第24回は[ Ciel Bleuの四季さん ]主催です。お疲れさまです!また参加させていただきますっ。
今回のお題は「五感で感じる文学」。ああ、何にしよう〜とお風呂に入りながらじっくり考えてみました。アップ前のこういう時間も「たら本」の楽しさのひとつですね。
悩んだあげく、今回も海外モノからチョイス。
■「フランケンシュタイン」メアリ・シェリー{amazon}
フランケンシュタインとは怪物の名前ではなく、それを創造した科学者の名前だということを知ったのは、いつだったのだろう…。今でも「怖い顔=フランケンシュタインみたい」と間違って言ってしまう事があります。
ヴィクター・フランケンシュタイン博士の手記形式で綴られるこの小説は、ゴシックホラーの名著。怪奇小説の枠に収まらない、父(創造主)と息子(怪物)の深淵なドラマです。
人間の領域を超えた罪深い所業に踏み出した科学者の、驕りと悔恨と贖罪。中盤では怪物側から見た物語が展開し、その妙に魅力ある語り口にぐいぐい引き込まれてしまいます。
醜い容姿だからといって知性が無いということではなく、しかしそれが逆に悲劇であるという…。やがて物語は更なる哀しみへ…(以下自粛)
当時の解剖室の佇まいは、不衛生で寒々しく、
皮膚、血管、筋肉を繋ぎ合わせた怪物の質感や色や匂いも、こちらまで届きそう。
が、この小説が五感に訴える箇所は、こうした怪奇描写だけではなく、
ヴィクターが切々と綴る街や山の情景もとても美しいのです。
ところで、メアリ・シェリーがこれを執筆したのって、19歳頃なんですね。ひー、すごっ。
(※コメントTBをありがとうございます。
ワタクシもみなさまのブログにTB&コメントさせていただきたいのですが、
PCがひどく不調で(別ウィンドウでリンク先を開くとフリーズ等)なかなか進みません。(´ノωノ`)
ゆっくり時間をかけてコメントさせていただきますので、よろしくお願いいたします〜5/23)
さて次は…、
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■「珈琲相場師」ディヴィッド・リス{amazon}
1659年のアムステルダムを舞台にした歴史ミステリです。
砂糖の取引で大損をした主人公が、新しい飲み物「珈琲」で一儲けしようとするが…。
碗の中でそれはとろりとしたさざなみを立てた。
黒く、熱く、まずそうだった。
これは主人公が珈琲を初めて目の前にした冒頭の文。
確かに珈琲を知らなかったとしたら、こんな黒い液体はいかにも不味そうです。
商売の街アムステルダムの活気と、相場師たちの熾烈な駆け引きを楽しみつつ、
もちろん、珈琲も楽しみながら読むことをお薦めします。
■「航路」コニー・ウィリス{amazon}
トンネル、光、天使、亡くなった家族など、心停止から蘇生までの間に見る不可思議な世界。認知心理学者のジョアンナは、これらの臨死体験を科学的に検証するため聞き取り調査を行っている。そんな彼女の元に、化学物質を投与して擬似臨死状態を作り出す実験を試みる神経内科医のリチャードが現れた。彼の研究に参加することになったジョアンナは、被験者不足のため自らも実験台に上ることに。擬似臨死状態で彼女が見たものとは何なのか? 臨死体験とは脳が作る幻想か、あるいは「あの世」からのメッセージなのか?
次は、五感どころか、あっちの世界に身体ごと持っていかれそうな、
ノンストップ霊体験小説(←こんな言い方は、無い)。
上下二冊、二段組でありながら、一気読み。面白かったなー。ずっと走ってる感じでした。
私、疲れているとたまーに金縛りにあうんですが、
Passageを抜けるときの感覚を知ってるような気がして(誤解)、
そういう意味ではめちゃくちゃ恐かったです。。。
■「第四の手」ジョン・アーヴィング{amazon}
TVジャーナリスト、パトリックは、インドでサーカスの取材中、ライオンに左手を喰いちぎられる。以来、なんども夢に現われる、深緑の湖と謎の女―。やがて事故死した男の手が移植されることになるが、手術を目前に「手」の未亡人に子作りを迫られ、月満ちて男の子が誕生する…。稀代の女ったらしが真実の愛に目覚めるまでのいただけない行状と葛藤を描く、巨匠による最新長篇。
相も変わらず可笑しな人が大勢出てくるアーヴィングの10作目。
冒頭、主人公がライオンに手をガブッとやられるところからもう爆笑です。
彼の行動は解説どおり”いただけない”し、
女たちの行動には、合点がいかない強引さがあって、圧倒されっぱなしです。
考えてみたら、アーヴィングの小説には「痛い」描写が結構ありますね。>ガブッ!
ここでは失った「手」。この手がずっと奇妙な感覚を与えてくれるんです。
移植しようが何をしようが、自分自身の手が無いことには変わりないわけで。
意識は常に彼の「手」に集中してしまうし、何だか始終むずがゆい感じ。
仮想ファントム・ペイン?
読んでいる間、時々自分の手を見たりブルブル振ったり、してました(笑
以上、
咲き誇る花の香りとか、潮風とか、そういう素敵な小説をまるで思い出せなかった、うなでした(w
| unag | comment (19) | たら本
わ、「フランケンシュタイン」!
題名を見た途端に、あの解剖室の情景が浮かびました。
こんな風に一瞬で思い出せちゃうっていうのが凄いですね。
文章の力を感じる一瞬です〜。(なんか嬉しい)
でもほんと19歳で書いたというのが…
…ここで思い出したのがブロンテ姉妹なんですけど…
彼女たちはあんまり早くなかったですね、すみません。(なら書くなッ)
あとの3冊はどれも未読です。1冊も読んだことない作家さんばかり…
(ジョン・アービングすら読んだことがない私ってば)
「珈琲相場師」の珈琲、ほんと不味そう!(笑)
これだけの文章でも、しっかり不味そうなのが伝わってくるのが凄いですね。
あ、前回の笑の文学で挙げてらした「翻訳家という楽天家たち」
先日買ってきたんですよー。近いうちに読みますね。
楽しみです(^^)。
posted by 四季 : May 23, 2006 6:32 AM
フランケンシュタインに動揺して(笑)
書くのをすっかり忘れてしまいました。
ご参加ありがとうございます〜。
2度の主催ともうなさんに参加していただけて
とっても嬉しい私です♪
posted by 四季 : May 23, 2006 6:37 AM
こんにちは。
「珈琲相場師」の解説を読んで、「コーヒールンバ」のメロディが思い浮かんだ自分に動揺してしまいました。
古過ぎる…(笑)。
posted by Velta : May 23, 2006 8:33 AM
廣野由美子さんの『批評理論入門』という本で
『フランケンシュタイン』を、アイロニーとかメタフィクションとか
あらゆる批評理論を用いて批評している本があるんです。
(批評理論を学ぶという趣旨です)
で、それを読んで、初めて、『フランケンシュタイン』が
深くて文学的な作品だということを知りました。
原作も読まなくちゃと思ってました。
メアリがこれを書いた時、彼女は妻のある詩人、パーシー・シェリーと不倫して
スイスに駆け落ち中でした。
で、友人たちと退屈しのぎに幽霊話を書こうということになり
その中にいた医者ポリドリが書いたのが『吸血鬼』なんですって。
ああ、あとは『狼男』がそこで書かれていたら三大怪物勢ぞろいだったのに(笑)
『珈琲相場師』おもしろそうです。
歴史ミステリー、好きなので。
相場のことを知らないと理解できないですか?
posted by LIN : May 23, 2006 12:15 PM
うなさん、こんばんは〜♪
あはは…>咲き誇る花の香りとか、潮風とか、そういう素敵な小説をまるで思い出せなかった、うなでした。
って、ここに一番反応してしまいました。
流石うなさんね。素敵です。
その上、お風呂でまったりしながら、『フランケンシュタイン』の不衛生な解剖室を思い浮かべなさったとは、恐るべし!
『フランケンシュタイン』は、映画で観ました。観終わってとても悲しかった事を憶えています。
他の本は未読なのですが、『航路』のノンストップ霊体験は、私には無理かもです。めっちゃ、怖がりなので。ではでは。(*^。^*)
posted by ワルツ : May 23, 2006 10:32 PM
四季さん、2度目の主催お疲れサマです。
いつも驚愕しながら四季さんの読書の記録を読ませていただいてます。
本当に読まれるのが早いですよね!1日に1冊のペース?!
しかもそのあと読み応えのある記事を着実に書いてらっしゃるし。
私も見習わなくちゃ!と思うのですが、ベッドで読みながらすぐZZZ...電車でZZZ...(笑
さて、フランケンシュタイン。
四季さん仰るとおり、じっとり湿った解剖室の場面がまず浮かびますね!
(過去に見た映像の記憶も加わって)
今回久しぶりに棚から出して部分読みしてみたんですが、どこもかしこも面白くて引き込まれてしまいます。
もう一度通して読んでみたい本です。
昔読んだとき、確か泣いてしまったような気がするんですが、
そういう感受性がまだ自分に残っているだろうか(笑
>翻訳家
おおそうですか!四季さんの感想を楽しみにしています♪
posted by うな : May 24, 2006 12:48 AM
Veltaさん
「コーヒールンバ」=「コーヒーソウバ」(笑
昔アラブの偉いお坊さんが、恋を忘れた哀れな男に、
琥珀色の飲み物を教えてあげたら、その人はウキウキ楽しくなっちゃった…
ッて歌ですね(笑
井上陽水さんがカバーしてるんですが、とてもイイですよ!
posted by うな : May 24, 2006 12:53 AM
LINさん
教えていただいた「批評理論入門」を早速ググッてみました。
これは是非読んでみたいです!
1冊の小説を解体して読解を深めていくなんて、知的スリルと刺激が味わえそうです。
中央公論新書なら薄いし安いっ(笑
フランケンシュタインは研究本がたくさんありそう。
今まで考えていなかったんですが、たら本をきっかけにハマッてしまいそうです。
>メアリ
つまり、19歳で不倫&駆け落ちをしたってことですね。
やるな(笑
ってことじゃなく、本書と吸血鬼は密接な関係にあったんですね。
吸血鬼モノの本もたくさんあって、ブラム・ストーカーとアン・ライスと、「アイリッシュ・ヴァンパイア」を読んだことがあります。
ヴァンパイアも研究のし甲斐がありますね!
>コーヒーソウバ
私も相場にまったく疎いタチなんですが、
そのへんについては軽く読み飛ばしたので楽しかったです(笑
posted by うな : May 24, 2006 1:11 AM
ワルツさん
でしょでしょ(笑)本当に思い出せなかったの〜。
ドロドロしたミステリの合間に普通の本を読んでいるので、
忘れちゃうんですよね。あはは。(ちなみに、ウチのお風呂はチレイです(爆)
ワルツさんが観られたのは、コッポラの「フランケンシュタイン」=デ・ニーロ主演ですよね?
ヴィクター役がケネス・ブラナーで、なかなかステキでした。
デ・ニーロがごっつい特殊メイクをしてると思うと、ちょっと可笑しかったけど。
映画としては大層なエンタメ作品なので、大味な部分もあります。
が、原作の哀しみの一部でも表現できればいいのではないかと。
「航路」は恐くないですよ〜。あの”通路”っていったい何?
と謎を解きたくなって走り出す、そんな感覚です。
posted by うな : May 24, 2006 1:22 AM
こんにちは。TBどうもありがとうございました。
>フランケンシュタインとは怪物の名前ではなく、それを創造した科学者の名前だ
・・・すみません。今知りました。そうだったんですね・・・。今日のトリビアでした。
『珈琲相場師』がすごく面白そう!私は毎朝珈琲を一杯のまないと気持ちが悪くなるくらい珈琲党なので、是非この本を読みながら珈琲を飲んでみたいです。
(´∀`)
posted by moji茶 : May 24, 2006 2:55 PM
うなさん、こんにちは。
トラバありがとうございます。
PC早く調子がなおるといいですね。
我が家のPCもすぐフリーズして
強制終了することになるのでよくわかります(^^;)
「航路」、面白そうですねー。
臨死状態で一体何を見るのか気になります。
posted by 眠猫 : May 25, 2006 12:00 PM
うなさん、こんばんは!
TB&コメントありがとうございました〜!
「フランケンシュタイン」原作未読なのですが、映画は観ました。何度も映像化されているみたいですね。わたしが観たのは割と最近のモノだったような…よく覚えていないのですが(笑)
でも、切ない話だなぁという印象を持ちました。原作があるということを、実は最近知ったのですが読もうと思いつつ手が出せずにいました。うなさんの記事をみたら、その思いがますます強く・・・!これは絶対に読まねば!さっそく購入しなくちゃ!と思っています。
「航路」は文庫を積んでます!積んだままになっています!!読むのは楽しみなのですが、あの長さになかなか手を出せず。。。でも、やっぱり早急に読むべきですねー。
たのしみです。
posted by あさこ : May 26, 2006 2:14 AM
うなさん、こんばんはー。
やっと記事書いて、TBしました。やっほー。
「フランケンシュタイン」は比較的新しい、ロバート・デ・ニーロが怪物役で出てるやつを見ました。
比較的原作に忠実に映画化されていて、公開させていた時も評価は色々でしたが、
とにかく今でも映像が浮かぶ、その意味ではインパクトのある映画でした。
えー、19才で書いたんだ。すごいや。
ジョン・アーヴィング、変ですよね(笑)。痛そうだし。
posted by きみ駒 : May 28, 2006 9:33 PM
moji茶さん、こんばんは。
こちらこそコメントTBありがとうございます。
私も毎日数杯飲む珈琲好きです。
この本は儲け話に珈琲が組み込まれている小説ですが、
珈琲の香りをゆっくり楽しむ場面が出てくる小説って何だろう、と考えたところ、、、
意外に思い出せないものです(笑
すごく今、気になってます。。。
posted by うな : May 28, 2006 11:26 PM
眠猫さん、こんばんは。
TBコメントありがとうございます〜。
そんなわけで、グズグズのPCで頑張ってコメントしております。
すごく重いです。はぁはぁ。
>臨死体験
一般的によく言われている光とか花畑とか、ほんとに見るんでしょうか。
自分で創り出すイメージにすぎないんでしょうか。
病院で一瞬意識を失った知り合いは、そのとき…、
「何にも見なかった、まっくら」って言ってましたが(…
posted by うな : May 28, 2006 11:33 PM
あさこさん
こちらこそありがとうございます〜。
「フランケンシュタイン」に底辺に流れている哀しみは普遍的なもので、
誰の心にもその痛みは通じるんですよね。愛を求めたり、拒絶されたり。
日本人の私が理解しきれなかった部分は「神との対話」。
そこは漠然とした解釈で乗り切りました(笑
「航路」が積読本にあるなんて、それは楽しみですね!
是非、Passageを疾走してください!
電車を乗り過ごすこと、間違いないですよ(笑
posted by うな : May 28, 2006 11:42 PM
きみ駒さん、やっほー!後ほど伺います〜!
コッポラの「フランケンシュタイン」は、
非常にエンタメ色の濃い作りでしたけど、楽しめましたよね。
さすがコッポラ、と思いました。
クリーチャーの哀しみについては表現しきれないものがあり、
そこは仕方ないかなと。
アーヴィングのガブッ!は痛いですよ〜(笑
この「第四の手」の主人公は、受動的で煮え切らない嫌な男なんですが、
それでも、読んでいると情がわいてしまいます。
---悔しいです(笑
posted by うな : May 28, 2006 11:51 PM
うなさん、こんばんは
「珈琲相場師」面白そう!、ということでさっそくぼちぼち読んでいます。
オランダというとチューリップでも投機熱というかバブルが起こっていますよね。さすが商売の街ですね。
この後ヨーロッパでコーヒーが大流行しているんですよね。
バッハまでもが面白い「コーヒー・カンタータ」を書いたり、真っ黒なコーヒーはアルコールよりも魔力を持っていたようで、とても興味深いです。
カフェオレが好きなのでそれを楽しみつつ、まだ冒頭部分ですがとても面白いです。
posted by nyu : June 7, 2006 10:50 PM
nyuさん
コメントTBありがとうございます。
なかなかレスが出来なくて本当にごめんなさい。。。
珈琲は最初、薬として使われたみたいですね。
カフェインの効用によって、なのかな。
その後反対に禁止された時代もあったようで。
奥が深そうですね、珈琲の歴史…。
ともあれ、
したたかなオランダ人商人のお手並みを是非是非〜。@珈琲相場師
posted by うな : June 14, 2006 9:23 PM