November 2009アーカイブ

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結構前に読んだのですが、孤高の刑事ハリー・ボッシュ シリーズのマイクル・コナリーの初リーガルサスペンス。LAの街を高級車リンカーン・タンカーで走りまわる中年の刑事弁護士マイクル(ミッキー)・ハラー。父親は高名な弁護士(ボッシュ・シリーズに登場しているよ!)、自分は二度の離婚、オフィスを持たず元妻を電話番としている、正義を貫くってわけでもない金儲け主義の弁護士。いい感じの汚れ具合です。彼が受ける仕事は「フランチャイズ」と呼ばれるセレブ相手の弁護。舞い込んだ事件は、不動産業の資産家の軽薄息子の暴行事件。これが胡散臭さ抜群のネタで。ミッキーは"依頼人を有罪にしない"という目的のためだけに奔走しますが、さすがに完全に割り切って処理することは出来ません。追い込まれるミッキーは、人としてどうするべきか苦悩します。ボッシュ・シリーズほど重くなく、適度にヘビーな骨太サスペンス。必読です。

2006年国際ミステリー愛好家クラブマカヴィティ賞最優秀長編賞受賞
2006年アメリカ私立探偵作家クラブシェイマス賞最優秀長編賞受賞

で、この小説の映画化権は発売より前に売れたそうで。トミー・リー・ショーンズがメガホンをとるらしく、主役はマシュー・マコノヒーらしく、ワタクシ的に後者にがっかり。ミッキーみたいな人間をマコノヒがやると、本当に薄っぺらになっちゃうよーって。ワタクシ脳内のミッキーはロバート・ダウニーJR.だった。アイアンマンのトニー・スタークの影響。仕事仲間のラウルは、デクスターのエンジェルで。絵的に濃いけどね。

brokenwindow.jpg傑作と言われている前作「ウォッチ・メイカー」の次の敵は、個人情報を支配する男。ネットを題材にしている「青い虚空」を思い出しますが、今回はもっと大規模で恐ろしい。そもそも、物的証拠を求めるリンカーン・ライムと、データという掴みどころのないものを操る犯人、土俵が違いすぎて不安であります。んが、ライムは常に自信満々ですから、犯人が存在する以上必ず痕跡は残されるはず、といつもの粘り強い捜査が続きます。同時進行でライムの従兄弟アーサーとの確執ストーリー、アメリカとパム・ウィロビー(誰だかなかなか思い出せなかった)の恋愛指南ストーリーが微妙に絡み合ったり。過去作品と比較すると今回は珍しく「どんでん返し」が無く少々派手さには欠けるものの、相変わらずの高水準をキープした逸品となっておりまして、大変楽しめました。

科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う―証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。

楽しめたという事を前提に、ちょっと辛口ネタバレ。

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